Event|『ヒューマン・ポジション』上映会 CinéRuelle × bear’s bookstore

9月26日(木)20時から、映画『ヒューマン・ポジション』の上映会を開催します。CinéRuelleさんとの第2回目の上映会です。

ノルウェーの淡く美しい港町を舞台に、新聞社で働くアスタとパートナーのライブが送る日々の暮らしを、特異な切り取り方や優しくも寄り添いすぎない眼差しによって捉えた俊英アンダース・エンブレムによる長編2作目です。

むせ返るような空気感と力強い身体表現が特徴だった前回上映の『美しき仕事』とは対照的とも言える魅力を持つ本作。CinéRuelleさんの映画の抽斗たるや。ぜひご鑑賞ください。

CinéRuelle/余映 インスタグラム:https://www.instagram.com/cineruelle/
『ヒューマン・ポジション』公式サイト:https://position.crepuscule-films.com/

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CinéRuelle × bear’s bookstore『ヒューマン・ポジション』上映会

■日時
2024年9月26日(木)19:00開場 / 20:00開演

■会場
bear’s bookstore (@bb_gekijo)
岡山県岡山市北区表町3-11-50 岡山芸術創造劇場ハレノワ1階

■鑑賞料金
1,500円+ドリンク代

■予約方法
フォームにご入力お願いいたします🔗

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【introduction】

青くて、物悲しいノルウェーの長い夏。うっとりするような静けさの中、パステルカラーに包まれた港町の丘をゆっくりと登って振り返るアスタ。新聞社に勤める彼女は、地元のホッケーチーム、アールヌーボー建築を保存するための小さなデモやクルーズ船の景気など地元の人々を取材しニュースにする。彼女の支えとなるガールフレンドのライヴは、デザインチェアを修復し、キーボードを演奏し、作曲をする。子猫が歩きまわる家で、料理を作ったり、古い映画を観たり、ボードゲームを楽しんだりと二人は穏やかな時間を過ごしている。ある日、アスタは10年間ノルウェーに住み、働いてきた難民のアスランが強制送還されたという記事を目にする。その事件を調べて行くにつれ、アスタは自身を覆っていた無気力感を払拭し、仕事とプライベートの両方で自分が求める”心の居場所”を次第に見出していく…。

監督は、本作が長編2作目となるノルウェーが生んだ才能アンダース・エンブレム。フィヨルドに囲まれ、絵画のような色彩豊かな風景で「ノルウェーで最も美しい街」と称される監督の故郷オーレスンを舞台に、写真集を捲るように優しく美しい筆致で丁寧に描く。主人公アスタを演じるのは、監督デビュー作『HURRY SLOWLY(原題)』に続いて再びタッグを組んだアマリエ・イプセン・ジェンセン。彼女に優しく寄り添うライヴ役にはマリア・アグマロ。柔道着を着て、着物を着る。日本の映画を観て、囲碁を打つ。箸を使って食事をする。少しずつ描かれる二人の機微を愛でるように心静かに見守るプロセスは、観るものを心和む気持ちに導いてくれるだろう。

何かを声高に叫ぶわけでもなく、世界で最も裕福な国の一つといわれるノルウェーに対する、微妙な疑問とメッセージをそっと囁くように投げかける。心拍数を安定させながら、心乱さず高揚させてくれる物語は、”語らずに語る”全てが愛おしいスローシネマだ。

【story】

ノルウェー・オーレスン。ここはフィヨルドに囲まれた、色鮮やかなファサードの建物が立ち並ぶ美しい港町。夏を迎え、今は白夜の季節。この時期は、太陽の光がこの町の海と緑をさらに美しく照らし出す。

アスタはこの町で、再び動き出そうとしていた。病気療養のため、地元新聞社の記者の仕事からしばらく離れていたが、臨時雇いながら復帰も決まった。心も体も、まだまだ万全ではないが、カンならそのうち取り戻せる…。アスタは自分をそう信じ、かつての職場に戻っていった。

アスタが一緒に暮らすのは、病気ですっかり弱ってしまった心に癒しをくれる小さな猫一匹。そして自宅を職場に、古くなった椅子のリペアを手掛ける最愛のパートナー、ライヴ。特にライブとの他愛のない会話と穏やかでゆったりと過ごす時間は、今のアスタにとって何より大切なひと時だ。

記者としてアスタが担当するのは、市内で起こるささやかな出来事や小さなトラブル。自宅に戻れば、ライヴと二人だけのリラックスした時間。静かに戻りつつあるアスタの日常。

ある日、ライヴは新聞に掲載されていた記事に目を留める。それは『労働法違反で難民申請者が強制送還へ』と題された誌面の小さな記事。その内容が気になったアスタは翌日、記事を担当した記者に連絡をとる。わかったのは強制送還された彼の名はアスラン、そして勤めていた水産加工工場の連絡先…。